『前作以上に完成度高し』
前作では“Club Foot”に代表されるキャッチーな曲が多数ありながらも、アルバム全体に閉塞感とヤバさを伴った独特な世界観が漂っていました。
しかし今作ではそんな独特な雰囲気は薄れ、よりキャッチーで分かりやすいメロディーを持った曲が増えたような印象を受けます。
そして個人的には1stよりもこちらの方がアルバムとしては良い出来になっていると思います。
まず今作ではキラーチューンが前作以上にたくさんありました。先行シングルの1曲目はもちろん、2曲目、3曲目、4曲目、8曲目など、ヘビロテ必須の楽曲が前作よりも目白押しであるように思います。
加えて10曲目などは今までになかったタイプの曲であり、ソングライティングにも広がりが出始めているように思います。こういった曲調の広がりは、聴き手に、今後このバンドは急進的な変化を起こす可能性があるかもしれないな、という予感めいたものも感じさせてくれます。
また前述したとおり1stで見受けられたような閉塞感を伴ったヤバさは多少薄れてはいるのですが、それでも全体を通して聴くと、やはり前作にあったような雰囲気は残っていて、しかもそんな雰囲気が曲ごとのキャッチーさと絶妙なバランスを保って共存しているように思います。
前作のように聴く人を選ぶような雰囲気の方が好きな人も多いでしょうが、個人的には前作の良い部分を踏襲して、なおかつ聴きやすさのあるキラーチューンを並べた今作のほうがアルバムの出来としては良いように思います。
前作からの変化のせいで賛否両論ある作品ではあるのですが、キャッチーさとヤバい雰囲気の両方をあわせもった今作は前作よりも聴きやすく、そして完成度も高くなっていると思うので、KASABIANの入門編としては最適なのではないでしょうか。
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