『夢見心地のメロウ&スムースR&B』
'96年のソロ・デビュー作では極上のメロウ&スムースR&Bで多くのリスナーを魅了したケニー・ラティモアだが,期待された2ndアルバムでは「2年目のジンクス」ならぬ「2枚目のジンクス」か,今ひとつ乗り切れずレーベル移籍の憂き目にあった。
移籍後初のアルバムとなる本作は,原点に帰ってメロウ&スムース路線で勝負。充実した内容の1枚に仕上がっている。
オープニングを飾るのはグルーヴィーなベースラインに続いて夢見心地のメロディーが展開するアップテンポの「Weekend」。冒頭からグッとリスナーの心をつかむと,レイトナイト向けのムーディーだが,何処となくミステリアスな雰囲気の漂う「Come To Me」,ウェットなバラード「Can You Feel Me」と魅惑の音世界が広がる。メロウでゆったりとスウィングする「Don't Deserve」では,珍しくヒートアップするケニーのヴォーカルが印象的。LaFaceレーベルの第1弾アーティストとして期待されながら,メンバーの交通事故死でアルバム1枚で解散となったダミアン・デイムのナンバーをカヴァーした「Right Down To It」は明るくドリーミーな雰囲気がいい。さらに,オーソドックスだが,美しいメロディーのアコースティック・バラード「Who」(=マーティンなるシンガーのカヴァーらしい),ピアノのみのシンプルなサウンドながらゴスペル・タッチのバラード「Healing」と最後まで佳曲が続く。
本作で成功をおさめたケニー・ラティモアは,その後シャンテ・ムーアと結婚。夫婦デュエットによる夢のような極上のカヴァー・アルバム『Things That Lovers Do』を発表。上昇気流に乗った感がある。
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