フー・ファイターズ〜イン・ユア・オナー〜感想♪

イン・ユア・オナー


イン・ユア・オナー
『ロックの最も熱い部分』
 05年に発表された、フー・ファイターズの2枚組の傑作アルバム。バリバリのロック・サイドである1枚目とは対照的なアコースティック・サイドの2枚目は甘ったるくてまったく好きになれないのだが、1枚目はすごい。本当にすごい。だって、何の変哲もないロックなのだ。何の装飾もない、正真正銘のフー・ファイターズなロックなのだ。
 今のデイヴ・グロールにとって、ニルヴァーナというバンドはいったいどういう意味を持っているのだろう。90年代最高と言われるバンドに在籍し90年代最強と言われるアルバムに参加したという誇りか、人生を狂わせたあまりにも深刻な呪縛か。そのどちらであろうとも、キャリア最大のセンセーションであるニルヴァーナの存在を無視して彼の作品を語ることはできない。フー・ファイターズを開始してからもそんな風にニルヴァーナの存在はある種のシコリとして常に居座り続けていたが、フーファイ流ダイナミズム爆発の本作1枚目はそんなシコリを完全にぶち壊す勢いである。この何の変哲もないロック・アルバムが歌い手の背負うあまりにも重大な事情を共に背負いながらもまったくグラつかずにこうして素晴らしい作品として成立しているのは、息づかいひとつからでさえ伝わってくるデイヴのロックに対する情熱と信頼が紛れもない「本物」だからである。自分からアイデンティティを奪い去ったロック。人生を見事に打ちのめしたロック。それでも生涯を掛けて愛し続けていたいものとしてのロック。そんな汗臭い男だから、デイヴのあの気前の良い笑顔とひたすら情熱的な歌声は、もうなにがなんだか解からなくなるくらい頼もしくて仕方がないのだ。そんなデイヴが大好きで仕方がないのだ。デイヴのロックに捧げる情熱と信頼が、4枚のアルバムを通過して、ついに本作で最高の形として結実した。1枚目はそんな感動的な作品だ。来月発表予定の6枚目も、このままの勢いでいけ!


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