デビュー以来在籍していたソニーミュージックから、EMI傘下のVIRGINレーベルに約7000万ポンド(約134億円)という破格の契約金で移籍。自らが主演する映画『グリッター』のサウンドトラック1枚を発表するも、解約金1960万ポンド(約37億5000万円)を受け取り突然の契約解除。その後水面下では大手レコード会社による猛烈な争奪戦が繰り広げられたが、マライアが選んだのは世界規模を誇るユニバーサルグループ傘下のアイランド・デフジャムだった。
レーベル移籍第1弾(サントラを除き通算7作目)となる本作は、1993年の全米ナンバーワンヒット「ヒーロー」を超える珠玉のロマンティックバラード(1stカット)で幕を開ける。プロデューサーにはジミー・ジャム&テリー・ルイスの黄金コンビが起用され、テレビ朝日系ドラマ『逮捕しちゃうぞ』の主題歌にも選ばれるなど、1stシングルにはシンデレラの新たなスタートにふさわしい豪華なバックアップ体制が整えられた。アルバムにはこのほか、叙情的なギターが哀愁ムードたっぷりのミディアムスロー、キャムロンの大ヒット「オー・ボーイ」をサンプリングしたヒップホップ系ミッドチューンなど、バラードからアップナンバーまで幅広いラインアップが収められている。(速藤年正)
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