『彼女の歌には暖かい心がある。』
イルカさんには彼女の人柄が示すように歌声に優しさを感じる。正直言って、彼女は決して売れっ子シンガーでもなければ個性的なシンガーでもない。しかしこうした彼女の歌への姿勢が74年にソロデビューして以来、全く変わることはなかったのはさすがだと思う。
彼女の代表曲といえばやはり「なごり雪」だろう。また、「雨の物語」「海岸通」でも人々の共感を呼び、ヒット曲になったのだが、これらのヒットはシンガーとして評価されてきた結果であり、楽曲に助けられた面も否定できない。彼女の真価が発揮されたのは個人的には自作曲「君は悲しみの」や「サラダの国から来た娘」「フォロー・ミー」だと思う。これらの歌詞やメロディーには彼女でなければ決して書くことの出来ない彼女の心が凝縮されている。そして語りかけるように切々と歌う彼女には同時期の派手なシンガーにはない暖かい心が伝わってくる。
このベストアルバムではもちろんこれらナンバーを含んだ、代表的なナンバーが収められている。おそらく若い人たちはこれらの曲をご存知ないのではないだろうが、ぜひこの機会にイルカの世界を聴いてもらいたいと思う。決して派手なサウンドではないがここには「心」がある。
彼女の夫、神部和夫さんが今年3月に死去された。悲しいだろうけど、一日も早く彼女には早く元気を取り戻してもらいたいと思う。
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