中国の民族楽器である二胡や古箏が多くの日本人の耳を楽しませるようになったのは1990年代の半ばごろから。その下地があったとはいえ、女子十二楽坊の大成功はやはり驚きに値する。二胡、古箏、琵琶、竹笛、楊琴といった楽器をあやつる十二人の若い女性たちのグループのどこに、そんな魅力があったのだろう?アルバム冒頭の「奇跡」がその秘密のいくつかを教えてくれる。ゆったりとしたメロディー、そのところどころに挟みこまれ、スカッと気分を転換させるメリハリの効いたフレーズ、そして全員が一体となって突き進んでいくかのような集団的高揚感。大ホールのコンサートに向いた華やかさがあり、ドラマチックでもある。音楽とダンスという違いこそあるが、アイリッシュ・ダンスを大掛かりなエンターテインメントに仕立て上げて世界を熱狂させた「リバーダンス」とどこか似ていないだろうか。「川の流れのように」のような日本の歌謡曲もあれば、ニューエイジ的なサウンドもある。7拍子で書かれた「七拍」ではフォルクローレ風の雰囲気を漂わせもする。中国の民族楽器はなかなか懐が深い。(松本泰樹)
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