『もう、脱帽!』
Stan Bush待望の新作が届いた。
一言で表現すると、「脱帽」。25年以上のキャリアの中で、メロディック・ロック路線から一度も逸脱せずに、さらには新作を発表する度にメロディラインをパワーアップしてくるエネルギッシュな姿には、頭の下がる思いだ。
そこで今作。過去の作品と比較すると、「磨きぬかれたメロディ・センス」「重厚さ」「捨曲なし」「パワーボーカル」「ロックとバラードが適材適所」などの点で秀でていると感じた。
これは新たなプロデューサー、Holger Fathの存在が大きいと思われる。前作まで何度かプロデューサーとして名を連ねていたCurt Cuomo(今作は楽曲のみ参加)に比べ、格段にStanの味を引き出している。とにかく薄っぺらさが皆無、特に捨曲がまずないだろうという出来栄えは感動モノ。多分、スタンの過去のアルバムの中でもトップの出来栄えだと確信できる。
1.や10.(タイトルトラック)などは、スタン節満載のメロディック・ロックの真髄といっても過言ではない。その反面、曲の出だしを聴いて「これは捨曲か...」と諦めずに聴いて欲しいのは4.7.9.あたり。曲が進むにつれ、耳にしっくりくるスタン・ワールドへと変貌していくところが圧巻だ。
しかし、このアルバムには隠れた名曲があったのだ。何度も聴くうちに心に沁みこんできた曲、それは11.の「Southern Rain」。Barrageバンド名義時代からの盟友、Rocket Ritchotte の奏でるメランコリックなギターをバックに、あの名曲「Love Don't(Won't) Lie」を彷彿とさせる哀愁味たっぷりなバラード。これは泣けます。是非、大音量で聴いて欲しい。往年のスタン・ファンならわかる「味」です!
毎度のことながら、唯一残念なのは今作でもStanのギターワークがないこと。CDの写真にはギターを抱えるStanの姿が載っているのに、ホントこればかりは残念でなりません。
最近になってyoutubeなどのメディアを検索すれば、スタンの動画もちらほら拾えるので、そちらも楽しみながら、是非今作も皆さんのストックに加えて欲しいと思います。産業ロック万歳!!!
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