INORAN〜photograph〜感想♪

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『意外なアスペクト』
私はINORANの作品を、
「Fragment」→「ニライカナイ」→「Photograph」の順で聴きました。
このアルバムの次に、INORANの最高傑作と言われる「ニライカナイ」が出たことを前提に書くので、
リアルタイムで聴いた方の意見とは少し視点が違う部分があるかもしれません。
そこをご承知の上読んで頂ければ幸いです。

全体としては、良い意味で肩の力が抜けていて、INORANのバイタリティーが感じられる新鮮な作品です。
「Fragment」と「ニライカナイ」を繋ぐアルバムはどういう音なのだろうと思って聴いたのですが、
予想に反した部分が多く感じられました。
架け橋的な要素よりは、このアルバムでしか聴けないINORANがいると思いました。

どちらかと言えば、それまでのINORANは外と言うより室内、昼よりも夜、
開というより閉、動よりも静、そんなイメージだったと思うし、
「想」「Fragment」という2作品はそういう空気が充満した作品だったと思います。

しかし、このアルバムでのINORANはそれが全て裏返しになったような印象です。
今まで狭い部屋でギターを弾いていたのが、
ふと気が変わったように草原の中で風に吹かれて伸び伸びと歩いているイメージがあります。
だから、今回のINORANは珍しく?「バイタリティー」という言葉が似合うのです。
今までの作品には見られなかった、生き生きとした「動」のパワーを感じます。

個人的に、一番象徴的だと感じたのは彼の歌。
FAKE?のKENを彷彿とさせる「identity」での情熱的なシャウトや、「想」のサビに現れた堂々としていてパワフルなボーカル。
彼がこういう歌い方をするとは…意外。

私は時折現れるワイルドでアグレッシヴな「動」のINORANが大好きなのです。彼の魅力のひとつには普段「静」、希に「動」という二面性があると思うのですが、
その希な方のINORANがボーカルとして現れたのは初めてではないでしょうか。

「Fragment」と比べて声量やピッチが上がっているのもよくわかりますよね。
特にセルフカバーの「想」は同名のファーストアルバムに収録されたもの(正真正銘の初ボーカル作品!)と比べると、成長ぶりがよくわかります。
92年頃のBLACK BOXのインタビューで、「歌はだめですよ、全然だ?め」みたいに話していたINORANを思い出すと、実に感慨深い(笑)。

ファースト、セカンド作品のようなアンニュイで気だるいINORANの音が好きな方には、軽すぎる音に聞こえてしまってお勧めできないかもしれませんが、
私にとってはこういうINORANのアスペクトも魅力的です。

こういう色のアルバムを作ってこそ、次の「ニライカナイ」が生まれたとも感じました。


*ちなみに、現時点での最新作「ニライカナイ」は、今まで地に足を付けて歩いていたINORANが、
背中に生まれたばかりの羽を得て、柔らかい光溢れる空に浮き上がったような印象のする作品です。
その意味で、彼が新しい世界に飛び立ったと言える作品ですから、
「Photograph」を聴いたのならぜひこちらもお聴き下さい。全力でお勧めします。




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