もはや日本のヒップホップが完全にポップ・フォーマットに組み込まれた2004年にあって、まだこれが2ndアルバム、しかも3年半ぶりのリリースというニトロの虎視眈々とした活動ぶりは、いい意味で不気味だ。8MC各人の活躍は、前述のポップ・フォーマットを前進させもしたが、同時に彼らには帰るべきハードコアに勝ち上がるという、今や貴重な、しかしリアルな場所=「ニトロ」があった。冒頭からソリッドかつヘヴィなトラックは、ヒップホップ用語やらディスり合いに無縁のリスナーをもその迫力と精神で巻き込んでしまう。もちろん勝ち上がってゆく男のマストな要素としてのセクシーなトラックや、ヒネリをきかせたやんちゃぶりが顔を出すリリックも冴えている。極東の島国で、今後果たしてB-BOYカルチャーが地につくのか? 境界線をひく作品かもしれない。 (石角友香)
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